YouTubeレッスン
「渡辺由布子箏教室サンプル演奏」(←クリックしてください。)
動画で演奏している曲を順次解説していきます。YouTubeを見ながらお読みいただけます。
宮城道雄小曲集ー1「①ロバサン」「②テンテマリ」「③福寿草」「④お正月ですから」「⑤お宮とお寺」
箏を演奏する方の中で、宮城道雄小曲集を習ったことがあるという方は多いのではないでしょうか?宮城道雄小曲集は初心者が演奏技術(歌も含めて)の基礎を学ぶのに適していることはもちろん、音楽的にも優れた曲が多く、きちんと弾くには難しい曲もあります。衛藤公雄先生は、「この小曲集の全曲を完璧に弾きこなせたら、師範くらいの腕になる」と言われました。
箏を演奏するときに私が心がけている基本的なポイントをご紹介します。
1)爪の角度を正しくあてます。
2)指だけでなく、腕全体を使います。
3)「弾く瞬間に」力を入れます。
4)「弾き終わりは隣の糸で一旦爪を止める。」が原則です。
この中で忘れがちなのは3)です。爪を必要以上に隣の糸に向けて押し込んで弾いて
しまう方がいますが、力を入れっぱなしでは疲れますし、指のケガ(故障)にもつながりかねません。「弾く瞬間に」力を入れることをなるべく早めに習得しましょう。
「①ロバサン」
箏を始めた子どものころに習った曲、として私が一番に挙げるのがこの曲です。♪ロバサン、ロバサン、トコトット♪と歌う旋律が自然と覚えられました。七、八、九、十の四つの音しか使いません。十三本ある糸の中で目印なしに探すことが難しいのが七~十あたりです。この曲でしっかりと覚えましょう。歌詞も簡潔ですので、歌ってみましょう。
「②テンテマリ」
一~十までは糸の名前も覚えやすいですが、斗為巾は初めのうちは覚えにくいと思います。「斗」が出てきますので、覚えましょう。
また、九の強押しが登場します。箏柱から左に向かって10センチ~15センチほどのところの糸を人差し指と中指で下までしっかり押します。左肩が上がらないように気を付けましょう。左腕から指先に向かって体重を乗せるような気持ちで押します。
「③福寿草」
「隣同士の糸を継続して弾きながら音楽が続いていく」、および「少し長めの休符を挟んで少し離れた糸に移動する」これまでの2曲と異なり、一拍という短いお休みのあとに八から斗まで移動する箇所が出てきます。休符があるからと安心せずに、「次の音は(糸は)何かな?」と先に気持ちを向けることが大切です。最後の合わせ爪は、親指と中指の根元からしっかり力を入れて音を出しましょう。
「④お正月ですから」
四拍子の曲。小節の一拍目と三拍目に休符があるリズムは慣れないと弾きにくいです。飛び出さないように気を付けましょう。短い曲なので歌をつけられたらやってみましょう。
「⑤お宮とお寺」
曲の初めから強押しです。弾く直前に押しておくことから押し手に慣れましょう。押し手は、力むあまり右手に力が入りすぎないように気を付けます。強押しと弱押しの音程をチューナーを使うなりして正しく出し、その音を覚えるように心がけましょう。一と二を中指で同時にならす「シャン」は、二和音がバラバラに鳴らないように弾く瞬間に力を入れて、弾き終わりは三の糸できちんと止めましょう。